2年前の寒い寒い冬、真夜中1時を過ぎた頃のお話。
住んでいたアパートの外から猫の鳴き声がしきりに聞こえて、
行ってみたら子猫が一軒の家の前で扉カリカリさせて鳴いていた。
その家の中から「でちゃダメ!」「もういないと思え!」とか耳を疑う言葉が聞こえる.
昔にも子猫を拾い里親を探した経験があるので引き取ろうと近寄ってみたが、怯えてこちらに来ない。
寒い夜、みるからに衰弱してきている。その時の心が修羅場。
そして以下がおそらく相手の修羅場。
どうしよーと悩ませた結果、猫になりきればいいと思った私は、
その場で裸足になり低めの四つん這いになって「ミアーオ」とか言って近づいた。
子猫は鳴くのをやめて目をまん丸にしてたので、よしいけるか!って思った瞬間、
後ろから「うおっ」って声が聞こえた。振り返ったらおそらく男子大学生。
一軒家の奥のアパートに住んでいるようで、その場で立ち止まっていた。
こちら、四つん這いで裸足、フードを被った長髪の女。
数秒間無言で目を合わせ、こちらが「…ど、どうも…」って言ったら
「えっヒィッ!エッ?!」とか言いながら小走りでアパートに入って行った。それを四つん這いのまま見送った。
子猫はいなくなっていた。
引用元: http://tamae.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1485753279/
ナスターシャ・キンスキーとミシェル・ファイファーで再生した